ぐずぐずにっき

日々の事を徒然と。

石ノ森章太郎が描くDavid Bowie

今日はDavid Bowieのお誕生日ですね。ボウイが私にもたらしてくれた影響などを記したいところですが、皆様にとって本当にどうでもいい話だと思うのでやめておきます。そこで今日は最近見つけた石ノ森章太郎の作品、「David Bowieを紹介させて下さい。そうです、あの仮面ライダーやサイボーグ009でお馴染みの石ノ森先生がDavid Bowieを題材に描いた漫画です。私が何気無く、「なんかさぁ、石ノ森章太郎って、デヴィッド・ボウイっぽくない?臨機応変に作風を変えられるところとか…。」と話していた時に「石ノ森章太郎 デヴィッド・ボウイ」でネットを検索したところ検索結果に出てきた漫画がこちらです。

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えっ、こんなことってあるの…と、30分くらい頭が混乱しました。調べてみると、小学館から発行されていたFMレコパルというFM放送の情報誌に掲載された作品だということが分かりました。そしてこの情報誌にはレコパル・ライブ・コミックという連載コーナーがありました。今回こちらで取り上げた石ノ森章太郎手塚治虫松本零士(敬称略)など錚々たる漫画家が、様々な年代の音楽家について描く、という内容です。レコパル・ライブ・コミックを纏めた単行本もあるようですが、今手に入るのでしょうか…。すごく読んでみたいです。

さて、「David Bowie」についてです。こちらは1977年第3号(1月24日-2月6日)に掲載された14頁の作品です。ボウイは宇宙人的だと言われているが、実はそれは本人自身ではなく、宇宙人が乗り移っているからだ、という解釈。宇宙人が様々に人間を選ぶが、結局乗り移ったのは優れた人間ではなく、痩せっぽちの弱々しい臆病なデヴィッド・ジョーンズ(ボウイの本名)という少年だった…という話。時期的なものや、作中のボウイの髪型から、Station To Stationという作品で演じていたシン・ホワイト・デュークというペルソナや、映画「地球に落ちてきた男」をイメージして描かれた作品だと推測します。私は、ボウイをリアルタイムで聴いていた女性に、「初めてデヴィッド・ボウイをテレビで見たとき、この世のものとは思えなかった。ほんとうに宇宙人かと思った。」と真顔で言われたことがあります。その人はボウイが宇宙人的だとかそういう前情報は全く無しでそのような印象を持ったのですから、(そうか、ボウイって当時ほんとにそんな印象を持たれてたのか…!)と驚いたものです。でも、ペルソナを演じてステージに上がる人は、得てして実は引っ込み思案だったり恥ずかしがり屋だったりします。石ノ森章太郎はこの作品で、「David Bowieは宇宙人だ」ということよりかはむしろ、「David Bowieだって人間なんだよ」、ということを描きたかったのではないかなぁと思いました。本当の姿は、泣き虫で、弱くて、いつも喧嘩に負けている、デヴィッド・ジョーンズなのだと。そういう目線でボウイを見れば、また印象も変わるかもしれませんね。漫画もロックも好きな自分としては、こんな作品に出会うことができて本当に幸せだしラッキーだなぁと思いました。