ぐずぐずにっき

日々の事を徒然と。

かぐや姫の物語(少しネタバレ有)

昨日、ジブリ最新作の「かぐや姫の物語」を観に行きました。
余韻でまだ泣けてくるほどに衝撃的な作品だったので感想を記します。

私はもう冒頭から、姫を可愛がる翁の姿を見るだけでウルウルしました。
地井武男さんの声が本当に優しくてあたたかくて、姫を溺愛する気持ちがダイレクトに伝わってきました。

あたたかさと言えば、絵のタッチも素晴らしかったです。
リアルな絵よりもああいう粗さを出した絵のほうが「人間の手で作品を作り出している」ということが分かるので良いと思います。

私が一番衝撃的だったのは、姫が月へ還るシーン。
穏やかなのに、ものすごく暴力的。
特に強烈だったのが、月からのお迎えの方々が奏でる音楽。
一言で言うと、「ラリってる」………。
あの曲が、別れのシーンには合わないという意見が多いのも頷けるけれど、私はどうしてあのような陽気でちょっとイッちゃってるような曲調なのか、ものすごく納得しました。

「月には不幸がない」と姫は言っていました。
私はその「不幸がない、常にハッピーな状態」を音で表現したかったのかなぁと解釈しました。

泣き叫ぶ翁と媼を残して行ってしまう姫。
そこには何の猶予も余韻もない。
月からの迎えが来たら強制終了。

悲し過ぎて嗚咽を上げて泣いてしまいました…。

ハッピーな音楽を背景に描かれる残酷さに、ただただ打ちのめされました。

改めて、私がこの映画に持った印象は、「優しいのに残酷」。

決して好きな映画ではないけれど、ジブリ作品の中でいちばん記憶に残る映画となりました。